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民法条文解説

民法第20条第3項(制限行為能力者の相手方の催告権)

本頁では、民法第20条第3項(制限行為能力者の相手方の催告権)について解説しています。

民法第20条第3条(制限行為能力者の相手方の催告権)の条文

第20条(制限行為能力者の相手方の催告権)

1 制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、1箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。

2 制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。

3 特別の方式を要する行為については、前2項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

4 制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第17条第1項の審判を受けた被補助人に対しては、第1項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

民法第20条第3項(制限行為能力者の相手方の催告権)解説

趣旨

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本項は、制限行為能力者の相手方の催告権のうち、特別方式の行為に関するものについて規定しています。

制限行為能力者の相手方は、特別の方式を要する行為については、1ヶ月以上の期間を定めて、その期間内に後見監督人などの同意を得たうえでの確答を求める通知をしなければなりません。

そうでない場合や、確答がない場合は、その特別の方式を要する行為は、取消しされたものとみなされます。

「特別の方式を要する行為」とは?

特別の方式を要する行為とは、法定代理人、保佐人、補助人が、単独で合意を与えたり、単独で制限行為能力者を代理することができない行為をいいます(民法第864条など)。

このような行為は制限行為能力者にとって極めて重要な行為であることが多いため、一般的な催告(第20条第2項参照。)よりも厳格な手続で催告がおこなわれます。

原則として取消し

また、手続きが厳格であるばかりではなく、一般的な催告(第20条第2項参照。)では催告への無回答が原則として追認であったのに対し、本項では、無回答または方式不備の回答が原則として取消しとなっています。

このため、制限行為能力者は、うっかりして確答しなかった場合でも、保護されます。

みなし規定

本項はいわゆる「みなし規定」であるため、行為能力者第20条第1項の場合)または法定代理人、保佐人もしくは補助人(第20条第2項の場合)が期間内に確答をしない場合は、実際にはこれらの者が追認しようとしていたときときであっても、取り消したものとして扱います。

契約実務における注意点

実務上、制限行為能力者単独と後見監督人などの同意が必要なくらい重要な契約を結ぶことはあまり考えられません(また、リスクが高いため、あってはなりません)。

ただ、やむを得ず実際にそういう状況になった場合は、本項にもとづいて、後見人などと後見監督人などの双方の同意を得る形で、催告をおこなうべきです。

特別な方式を要する重要な契約の場合、いつ取り消される(第120条第1項参照。)かわからないような不安定な状態のままにしておくことは、極めてリスクが高いものと思われます(いわゆる「現存利益」について、第121条参照)。

なお、この際、後々のトラブルの予防の意味で、後日証拠となるように、一般書留の内容証明郵便を使用した書面によって催告をおこなうべきです。

また、催告される側としても、確答する際には、同じように一般書留の内容証明郵便を使用した書面によっておこなうべきです。特に、取消しの確答をする場合は、証拠が残っていないと、追認したものとみなされてしまう可能性があります。

注意すべき契約書

  • 制限行為能力者が当事者となる重要な契約書

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最終更新日2011年10月10日