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民法条文解説

民法第101条第2項(代理行為の瑕疵)

本頁では、民法第101条第2項(代理行為の瑕疵)について解説しています。

民法第101条第2項(代理行為の瑕疵)の条文

第101条(代理行為の瑕疵)

1 意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

2 特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。

民法第101条第2項(代理行為の瑕疵)解説

趣旨

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本項は、代理行為における本人の意思について規定しています。

特定の法律行為をおこなうことを委託された場合、つまり本人から代理行為の内容を特定されている場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をおこなったときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができません。

また、本人が過失によって知らなかった事情についても、同様です。

代理行為の内容として、特定の法律行為をおこなうことを委託された場合は、その行為のある事実について善意であるかまたは悪意であるかの判断と、過失の有無についての判断は、本人についてもおこないます。

悪意・善意とは

本項でいうある事情を「知っていた」ことを、法律用語では「悪意」といいます。同様に、ある事情を「知らなかったこと」を、法律用語では「善意」といいます。

両者とも、一般的な意味での善意・悪意=道徳的な善悪の善意・悪意とは意味が異なりますので、注意を要します。

具体例

例えば、土地の売買契約の場合を想定します。

売買の対象となっている土地について、買主(本人)がその土地に土壌汚染があることを知っていて、代理人がその土地に土壌汚染があることを知らなかった場合において、代理人が土地に土壌汚染がないものと信じて売買契約を結んでしまったときは、本人は、後で土地の土壌汚染について、売主に対して、瑕疵担保責任(第570条参照。)の追求ができません。

なお、本項とは直接関係しませんが、上記のような事例の場合、宅地建物取引業者(宅建業者)が媒介していたときは、その宅建業者の土壌汚染の説明義務の有無が問題となることがあります。

契約実務における注意点

代理人をたてて契約を結ぶ場合は、本人は、本項が適用されないよう、代理人との意思疎通をしっかりとおこなっておく必要があります。

特に、会社がおこなう事業上の契約の場合は、本項でいうところの「特定の法律行為をすることを委託された場合」に該当するものと思われます。

つまり、会社の役員や労働者が代理人としておこなった契約については、その法人が自ら知っていた事情については、相手方に対して主張することができないことになります。

このため、事業上の重要な契約交渉に臨む際には、交渉担当者や決済担当者は、その契約に関する社内の情報を収集し、会社本体が把握している情報を会社と共有しておくべきです。

逆に、会社を相手にする契約の場合、相手方の交渉担当者や決済担当者があまり契約について事情を知らないようであれば、それを利用して有利な契約条件を引き出すことも検討するべきです。

注意すべき契約書

  • 会社がおこなう事業上の契約の契約書
  • 代理人を相手方とした本人のために結ぶ契約の契約書

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最終更新日2011年10月10日