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民法条文解説

民法第125条(法定追認)

本頁では、民法第125条(法定追認)について解説しています。

民法第125条(法定追認)の条文

第125条(法定追認)

前条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。

(1)全部又は一部の履行

(2)履行の請求

(3)更改

(4)担保の供与

(5)取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡

(6)強制執行

民法第125条(法定追認)解説

趣旨

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本条は、法定追認について規定しています。

第124条(第124条第1項第124条第2項第124条第3項参照)の規定により追認をすることができる時点以後に、取り消すことができる行為(第120条第1項参照)について次の各号の事実があったときは、追認をしたものとみなします。

ただし、異議をとどめたときは、この限りではありません。

  1. 全部または一部の履行(自らの債務の履行や相手方の債務の履行の受領(大審院判決昭和8年4月28日)をいいます)
  2. 履行の請求(取消権者(第120条第1項第120条第2項参照)によるものに限ります)
  3. 更改(更改とは、ある債務を消滅させて、新たな債務を生じさせることをいいます。取消権者が債務者であると債権者であるとを問いません。第513条参照)
  4. 担保の供与(ある債務について、自ら担保を提供し、または相手方から担保を提供されることです)
  5. 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の 譲渡(いわゆる債権譲渡などのことです。取消権者(第120条第1項第120条第2項参照)によるものに限ります)
  6. 強制執行(自ら強制執行をおこなうことです)

以上の各号の場合であっても、必ずしも取消権者に追認の意図があるとは限りません。

しかしながら、通常、以上の各号の行為をおこなう場合は、追認の意図がある場合が多く、少なくとも相手方はそう信じることが多いため、いわゆる「取引の安全」を考慮して、民法により原則として追認として扱われます。

例外として、異議をとどめた場合は、追認として扱われません。

追認をすることができる時とは

本条における「追認をすることができる時」とは、次の時点をいいます。

  1. 未成年者が成年になった時点(第4条参照)
  2. 未成年者が追認について法定代理人(一般的には親権者)から追認の同意を得た時点(第5条第1項参照)
  3. 成年被後見人が後見開始の審判を取り消された場合(第10条参照)
  4. 被保佐人が追認について保佐人から追認の同意を得た時点(第13条第1項
  5. 被補助人が追認について補助人から追認の同意を得た時点(第17条第1項
  6. 詐欺や強迫を受けた者がその状況を脱した時点
  7. 法定代理人が取消すことができる行為を認識した時点

みなし規定

本条はいわゆる「みなし規定」であるため、当事者が取り消すことができる行為について上記の各号の行為をした場合は、当事者の意思にかわらず、(ただし書きに該当するときを除いて)追認をしたものとして扱います。

この点について、取消権者の意思、取消原因についての知・不知を問いません(大審院判決大正12年6月11日)。

契約実務における注意点

契約実務においては、本条を利用することによって、相手方の法定追認の誘発を狙うことができます。これは、承認による時効の中断(第156条参照)と似ている制度です。

しかしながら、契約は、相互の信頼にもとづくものです。いかに本条を利用することにより、法定追認を誘発することができるとはいえ、一種の騙まし討ちのようなやり方は、お勧めできません。

このような形で確定した契約は、いかに法的には有効に確定したものであるとはいえ、その後で、相手方に守ってもらえなくなる可能性が高いといえます。

このため、できるだけ、相手方の合意がある形での追認(第122条参照)を得ることをお勧めします。

また、逆に取り消すことができる行為をおこなってしまった場合は、うっかり本条にもとづく法定追認をおこなってしまわないように、注意しなければなりません。

やむを得ず本条各号に該当することをおこなわなければならない場合は、ただし書にあるように異議をとどめることによって、法定追認にします。

なお、この際、後日「意義をとどめたかどうか」を巡ってトラブルにならないように、覚書などを取り交わして、「意義をとどめた」証拠を残しておきます。

注意すべき契約書

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最終更新日2011年10月10日