民法第127条第1項(条件が成就した場合の効果)の条文

第127条(条件が成就した場合の効果)

1 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。

2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。

3 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。




民法第127条第1項(条件が成就した場合の効果)の解説

趣旨

本項は、停止条件付法律行為の効力について規定しています。

停止条件付の法律行為は、その停止条件が成就した時点からその効力を生じます。

停止条件とは、ある条件を充たした場合に、その効力が発生する条件のことです。

【意味・定義】停止条件とは?

停止条件とは、ある条件を充たした場合に、その効力が発生する条件をいう。

条件が規定されている効力の発生を停止していることから、「停止」と表現します。

なお、ある事実が発生することだけが条件というわけではなく、ある事実が発生しないことを条件とすることもできます。




契約実務における注意点

契約実務において、条件の設定は、非常に重要です。

契約書において、停止条件つきの契約条項は、例えば「甲は、…の場合、…(発生する効果)することができるものとする。」と規定します。

上記の「…の場合」の部分が停止条件を意味し、「…することができるものとする。」の部分が発生する効果です。

この書き方の場合は、甲に権利が発生する内容です。

契約実務においては、条件の成就により権利が発生するような内容の契約書は、その成就の可否を巡って、トラブルになることが多いといえます。

このような内容の場合は、特に権利が発生する当事者のほうが、より内容を有利に解釈しようとする傾向があります。

このため、条件は、契約当事者双方の解釈が対立しないように、客観的かつ正確に記載剃る必要があります。

特に、成果報酬型の代理店契約書における成果報酬の発生条件、検査がある製造物請負契約書・業務委託契約書における検査合格の条件(検査基準)などは、トラブルになりやすいので注意を要します。

注意すべき契約書

  • すべての契約書
  • 代理店契約書
  • 製造請負契約書
  • 業務委託契約書