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民法条文解説

民法第92条(任意規定と異なる慣習)

本頁では、民法第92条(任意規定と異なる慣習)について解説しています。

民法第92条(任意規定と異なる慣習)の条文

第92条(任意規定と異なる慣習)

法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。

民法第92条(任意規定と異なる慣習)解説

趣旨

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本条は、任意き知恵と慣習の関係について規定しています。

法令中の公の秩序に関しない規定(いわゆる任意規定第91条参照)と異なる慣習がある場合、法律行為の当事者がその慣習による意思があったと認められる事情があるときは、その慣習が優先します。

任意規定が適用される状況において、その任意規定とは異なる当事者の意思が存在しないものの、任意規定とは異なる慣習が存在した場合は、当事者がその慣習による意思を有しているときは、その慣習が意思表示の判断の基準となります。

つまり、民法上のルールの優先順位としては、「強行規定>当事者の意思表示>慣習>任意規定」ということになります。

なお、商法上のルールの優先順位は、「商法の強行規定>民法の強行規定>当事者の意思>商法の任意規定>商慣習>慣習>民法の任意規定」となります。

その慣習による意思を有しているものと認められるとは

本条における「その慣習による意思を有しているものと認められる」とは、積極的にその意思を表示している必要はありません。

この点は、「慣習による意思を有していない」という反対の意思を表示しない限りは、「慣習による意思を有している」ものと推定されます(大審院判決大正3年10月27日、大審院判決大正10年6月2日)。

任意規定とは

任意規定とは、公の秩序に関しない法令の規定をいいます。言い換えれば、強行規定ではない規定です。

任意規定は、いわゆる「契約自由の原則」のうちの「内容自由の原則」の根拠となります。

民法上、第3編債権の規定の多くが任意規定です。ただし、これは厳密には決まっていないことも多く、個別の規定を検討しなければなりません。

強行規定とは

強行規定とは、公の秩序に関する法令の規定をいいます。

強行規定は、国家や社会などの一般的な秩序を守るための規定です。このため、行為の当事者が強行規定より異なる意思表示をおこなったとしても、強行規定が優先されます。

民法上、第1編総則、第2編物権、第4編親族、第5編相続の規定の多くは、強行規定です。ただし、これは厳密には決まっていないことも多く、個別の規定を検討しなければなりません。

なお、強行規定の中には、明確に条文で強行規定である旨が規定されているものもあります。

契約実務における注意点

契約実務において、契約の解釈という点では、本条は非常に重要な規定です。

しかしながら、本来ではれば、契約の解釈においては、当事者の合意である契約が最も優先されるものであり、本条にもとづく解釈がなされるような事態とならないようにしなければなりません。

本条にもとづく解釈がなされるようであれば、作成された契約書が不十分であるということであり、そのような契約書は作成するべきではありません。

契約を結ぶ祭には、当事者の合意がすべて網羅された契約書を作成し、本条が適用されることがないようにしなければなりません。

なお、最先端のビジネスモデルや斬新なビジネスモデルの場合は、そもそも慣習というものが存在しません。また、このようなビジネスモデルの場合は、法律の規定もあまり多くは存在しません。

このため、このようなビジネスモデルの契約書の場合は、他の契約書よりも、慎重に契約書を作成する必要があります。

注意すべき契約書

  • すべての契約書

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最終更新日2011年10月10日