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民法条文解説

民法第97条第1項(隔地者に対する意思表示)

本頁では、民法第97条第1項(隔地者に対する意思表示)について解説しています。

民法第97条第1項(隔地者に対する意思表示)の条文

第97条(隔地者に対する意思表示)

1 隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

2 隔地者に対する意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、又は行為能力を喪失したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。

民法第97条第1項(隔地者に対する意思表示)解説

趣旨

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本項は、隔地者に対する意思表示の到達主義について規定しています。

遠隔地にいる者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時点からその効力を発生します。このように、意思表示の到達によって効力が発生することを到達主義といいます。

例えば書面で意思表示をする場合は、その書面を発送した時点ではなく、その書面が相手方に到達した時点で効力を発生します。

到達とは

本項における到達とは、意思表示または書面が相手方のいわゆる支配圏内に置かれることをいいます(最高裁判決昭和43年12月17日)。

このため、特に相手方がその意思表示を書面そのものの内容を確認することまでは要求されていません。

これは、受領拒絶の場合も同様です(大審院判決昭和11年2月14日)。ただし、この点については、特殊な例外もあります(大審院判決昭和9年10月24日)。

契約の成立の場合の例外

本項が適用されるような隔地者に対する意思表示であっても、意思表示により契約が成立する場合、つまり契約の申込みに対する承諾の場合は、例外規定があります。

隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立します(民法第526条第1項)。このように、意思表示の発信によって効力が発生することを発信主義といいます。

電子消費者契約の場合の例外

すでに述べたとおり、隔地者間の契約は、発信主義(民法第526条)です。しかしながら、これは、電子消費者契約の場合は適用されません。

電子消費者契約とは、「消費者と事業者との間で電磁的方法により電子計算機の映像面を介して締結される契約であって、事業者又はその委託を受けた者が当該映像面に表示する手続に従って消費者がその使用する電子計算機を用いて送信することによってその申込み又はその承諾の意思表示を行うもの」をいいます電子消費者契約法第2条第1項。

具体的には、消費者と事業者とのオンラインショッピングのような売買契約が該当します。

このような契約の場合、民法第526条は適用されません(電子消費者契約法第4項)。つまり、民法の原則どおり、到達主義=契約の承諾が到達した時点で契約が成立します。

契約実務における注意点

すでに述べたとおり、(電子消費者契約以外の)契約の成立に関しては、例外として第526条第1項が適用されるため、本項は適用されません。

ただし、第526条第1項は契約の成立の意思表示に関する規定です。契約の成立以外の意思表示であれば、契約に関係するものであっても、本項が適用されます。

例えば、契約にもとづいて書面で料金の支払を催促する場合などに適用されます。このような場合、書面が「到達した証拠」が必要となりますので、一般書留の内容証明郵便で催促します。

注意すべき契約書

  • すべての契約書

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最終更新日2011年10月10日