【意味・定義】任意代理人とは？
任意代理人＝委任契約にもとづく代理人
任意代理人とは、委任契約（第643条参照）による代理人のことです（第104条参照）。
言い換えれば、任意代理による代理人のことです。
なお、任意代理人に対して、法定代理による代理人を「法定代理人」といいます。
任意代理人に関する補足
任意代理人になるには？その方法は？
任意代理は、本人と代理人とが、代理権の授与をおこなう委任契約を結ぶことで成立する代理です。
このため、任意代理人になるには、本人と委任契約を締結する必要があります。
なお、この代理権の授与のことを「授権行為」といいます。
委任契約書には代理権の授与や代理権の詳細を規定する
委任契約書には、代理権の授与の規定と、代理権の具体的な内容（任意代理人の権限）を規定します。
このように、任意代理人は、本人と結んだ委任契約が存在することが前提となります。
なお、一般的に、法定代理人は、任意代理人よりも責任が重いとされています（第104条等参照）。
契約実務における注意点
委任契約は典型的な「典型契約」
委任契約は、典型契約として、事業上は頻繁におこなわれている契約です。
当然ながら、このような委任契約は、すべてが代理権の授与を含むもの＝任意代理の創設を目的としたものであるとは限りません。
委任契約の中には、任意代理には該当せず、単に委任事務をおこなう契約＝準委任契約に過ぎないものもあります。
契約書には代理権の有無や代理権の詳細を規定する
ところが、委任契約書や準委任契約書には、代理権の授与の有無がはっきりと記載されていないこともあります。
そのため、任意代理かどうかの判断に迷うことがあります。
こうした事態を防ぐためにも、委任契約書や準委任契約書（これらに該当するような業務委託契約書を含む）には、代理権の有無を明確に記載し、任意代理の契約なのかそうでないのかを明記します。
代理店契約書は特に注意する
特にこの点は、代理店契約書では注意が必要です。
代理店契約、文字どおり任意代理と誤解されかねないようなタイトルです。
また、内容としても他人の意思表示を代理するかのうような契約書については、特に任意代理かどうかの記載が重要となります。
任意代理人に関するよくある質問
- 任意代理人とは何ですか？
- 任意代理人とは、委任契約にもとづく代理人のことです。
- 任意代理人になる方法を教えて下さい。
- 任意代理人は、本人と委任契約を締結することでなることができます。
